○学び方を学ぶ

  どんな事柄に取り組んでも成長の過程は同じであり、短くまとめると「好奇心、実践と技術、長期反復」となる。もう少し詳しくまとめると、次のようになる。


1、好奇心

 いつも好奇心に従う。好奇心は直感で、それに従って成り行き任せに進むのが良い学びの順序。好奇心に従うと学びが自主的になり、やる気も維持しやすい。



2、実践と小さく簡単な技術や知識から反復

 実践でよく使うかんたんな技術や知識から選び出し、1つ1日30分、1週間繰り返すと体が覚え始める。この時、うまい人の技術や動き方を3〜5段階くらいに分けて見える化し、始めはゆっくり真似する。できるようになれば同じ速度で真似してみる。1ヶ月くらいするとシナプスもさらにできてきて、かんたんな技術を3つくらい覚えると習得のコツがつかめてくる。またその技術を組み合わせると、複合技ができる。そしてこれを実践で使う。知識の場合も覚えようとするより、実践を通じて見聞きする反復回数が多くなるよう工夫し、見慣れるようにする。こうして実践を繰り返していると、次の成長に必要なヒントも見えてくる。これを繰り返していると分析力が高まり、他の事柄に取り組んだ時にもすぐに理解する力になるため、何をしても独自に成長する能力が高まる。



3、1日の練習量

 たくさん反復するほどシナプスが増え、質が高まる。毎日3時間以上が上、2時間が中、1時間以下が下。毎日同じ練習をしていると飽きてくるので、同じ技術練習でも変化を加えることが鍵。そのため新しい知識を本、動画、他者から得続け、自分で考えて工夫する。その試行錯誤が考える力と計画する力を養い、幅広い知識と視野、そして自制心も養われてくる。


4、3年目

 練習した技術や知識を実践で使い、自分で考えて練習計画を立てることを3年続けると、考える力も実力もつき、成長と成功のコツもつかめてくる。そのため達成感とやりがいを感じ、自信もつく。また1日24時間の限られた中で、限界に達するほど極端に取り組むと人間の限界も知れ、人間に対する理解が深まる。また自分が満たされていると、自我が薄い人ほど他者への貢献が喜びにもなる。もしこの期間に成長をあまり感じず自信を失いそうになれば、まず反復時間をよく観察してみる。反復量が少ないと成長量は少ない。意識が高く毎日平均3時間取り組んでいる人は、そうでない人に比べて成長速度は速い。


5、10年目

 平均して1日3時間以上の自主計画の練習を10年間続けていると、合計で1万時間取り組んだことになる。1日2時間ほどの人の場合でも、合計7000時間になる。するとその事柄においてかなり高いレベルに達する。ただ1万時間と7000時間では、能力的に大きな差がある。ただここまで続けられるのは天職、適職の時で、高い取り組む意識があるからこそ。また、物質的な成功の場合、それは人生のゴールではないとも知れる。その時は無心になり、執着を離れ、穏やかであることが鍵。もし1日1時間ほどを練習を10年続けた人は、合計で3500時間ほどになる。1万時間続けた人との練習時間の差は2.8倍ほどになり、能力的に明らかな差となる。


 これは運動、芸術、知的活動など、ほとんどのことに当てはまる学び方。行う事柄が違っても、それを行うのは人間の体であり、人間の体が理解できると何をしても成長の過程は共通している。また指導者の必要性が限りなく少なく、基本は70~100%を自分自身で取り組みながら、わからないところを先生から教えてもらったり、意見してもらうという分量。こうして自分で自己分析して自分を成長させていく。


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