この菌糸レンガやレザーは、衣服などの廃材などからも作れるので、廃棄物の再利用ができる。廃棄物も自然由来のもので作られているのであれば、すべて自然に返せる持続可能な素材となる。
型枠がない場合は、3Dプリンターと組み合わせても作ることができる。例えば椅子を作りたい場合、椅子の外枠だけを3Dプリンターで作り、その外枠も小さな穴や隙間が無数に空いた状態で作る。この中に菌糸とおがくずを詰めて時間をおくと、穴から菌糸が出てきて全体を包み込み、外も中も菌糸で繋げられた状態となる。あとはこれを加熱すれば固くなって使用できる。
3Dプリンターはサトウキビ、とうもろこし、じゃがいもなど、デンプンから作られたPLAフィラメントを使用すれば自然環境で分解される。
こうしてプラウトヴィレッジの住居では住民が3Dプリンターを使って、地元の資源から生活品を無料で製造する。
3Dプリンターではパソコンの画面上に描いた3Dイメージを、そのまま立体的に造形できる。そのためデザイナーが設計したデータはオンライン上で共有され、住民誰もが好きなデザインを選んだり、自分でデザインする。3Dプリンタと製造品の設計ルールは、次のようなものになる。
・生活品の素材の第一優先は、世界のどこでも採取できる原料を使用すること。
・デンプンから作られたPLAフィラメントや、丈夫で安定的に育つ竹など、自然に戻せる原料で、何度も採取できる植物資源が素材の第一候補。
・再利用できる素材を使用すること。
・自然環境の汚染がないこと。
・動物由来の革などの素材は使用しない。
・3Dプリンタから3Dプリンタが作り出せる設計。これは他地域の自治体構築や災害時の復興支援が迅速に行えるように。
こういったルールに従い、製造館では製品の修理や廃家電を原料に戻して再利用することも行われる。
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