○組織とリーダー [3]

  仕事ができる、頭が良い、積極的に動ける、声が大きく強そう、口が達者、目立つ、怒らせたら怖そう、服装や見た目が立派、威厳がある、などの性質を持つ人がいる。組織の中では自然とリーダーに選ばれることもある。ただこれらの要素の前に、その人に誠実さがあるかどうかを見なければならない。それによってリーダーの決定が全員のために良いものなのか、一部の人にとって良いのかが決まる。誠実で頭が良いリーダーが目の前の富を分配する時、様々なことを考慮して全体の善を前提に公平な分配を目指す。頭は良いが不誠実なリーダーが分配すれば、自分とその近しい人だけがいかに得できるかで分配する。誠実なリーダーが叱る時は、相手の成長を思って叱る。不誠実なリーダーが叱る時は、自分の言う通りにしなかったことへの仕返しとしてや、今後自分が損させられないようにと叱る。



 頭脳明晰で、能力は高いが不誠実で我欲の強い人間がリーダーになると、短期的には成績が上がったり成果を得ることがある。ところが中長期の視点で見ると不平等や独裁的な決定が行われ続けるので組織は腐る。それに住民も巻き添えになる。だから第一優先として誠実な性格の者を先に選び、その中で能力の高い人をリーダーに選ぶ。


 仕事ができるという理由でリーダーにすると、そのグループのスタッフが苦しむことがある。リーダーに人のことを思いやる誠実さと愛情がないと、できない人への攻撃が始まる。


 自我の強いリーダーは、部下の手柄を自分の手柄として自慢する。


 リーダーが判断をする時に、自我が入るほど適正な判断から遠のいていく。例えば怒り、恨み、劣等感、個人的な利益など。


 やられたらやり返すというリーダーは、リーダーにふさわしくない。目の前の問題は沈静化しても相手の恨みは残り、その仕返しは1年後、10年後、50年後かもしれない。


 この人に逆らったら仕返しされそうと感じさせる人をリーダーに選んではならない。またそういうリーダーを選ぶ人は恐れからで、偏った視点で判断している。


 リーダーが不誠実なら、その組織は居心地の良いものにはならない。


 性格の悪い人は嫌われ、性格の良い人は好かれる。人は性格の悪い人が仕切る組織には属したくない。だから性格の良い人をリーダーにする必要がある。性格の良い人とは自我への囚われが薄く、意識として在る人のこと。


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