次に電線がない場所の照明などへは、植物発電や超小型水力発電の利用を検討する。植物発電は2つの電極を地中に刺すことで、微弱な電力が得られるもの。ただその電力は非常に小さく、1つからは1.5ボルト前後の電圧となっている。これを100個つなげて、家庭用電源の100ボルトを超える発電が達成された実験もある。この時の電極の組み合わせはマグネシウムと備長炭が第一候補となり、レアメタルなど埋蔵資源は使用しない。
また長さ1mの持ち運びできる超小型水力発電も開発されており、小川でも高低差1mで発電でき、毎秒10リットルの水の流れで5Wの発電が可能となっている。
フィンランドでは砂電池も使用されている。これは太陽光や風力で得た電気を熱として砂に溜める。断熱タンクは幅が4メートル、高さ7メートルの大きさで、100トンの砂が入っている。この熱を周辺地域に供給し、建物の暖房や温水プールなどに使用している。500度以上に熱せられた砂はエネルギーを数ヶ月間蓄えることが可能。寿命は数十年。砂は乾燥していて可燃性のゴミが混じっていなければどんな砂でも使用でき、日本でも実現可能。
フィンランドでは人口3万5千人分の地区に熱を供給するためには、高さ25メートル、直径40メートルの砂を詰めた貯蔵タンクが必要だと計算されている。
この砂電池も構造がシンプルで、パイプ、バルブ、ファン、電気発熱体で構成され、建設コストも低いものとなっている。
アメリカでも砂電池が開発されているが、ここではケイ砂を1200℃まで加熱し、この砂を断熱コンクリート製貯蔵庫に貯める。これを電気に変換する場合は、水を熱して出てくる蒸気の力で、羽がたくさんついたタービンという水車を回す。このタービンは発電機につながっていて、電気が作られる。熱から電気をつくる場合は、この設備が必要となる。
ここまでがプラウトヴィレッジでの発電と蓄電方法となる。次にすでにある発電方法で、それを利用しない理由について見ていく。
0 コメント