○組織とリーダー [2]

  国という大きな単位でも、仲間内の小さなグループでも、自我の強い者は恐怖によって人々を支配する。



 自我は自分が傷つくことを恐れるため、自我の強いリーダーは自分へ反抗する者がいないかどうかいつも恐れている。そのためいかに人々を監視するかと方法を考え始める。そして人々は自由に発言できる雰囲気を失い、暮らしも窮屈になる。やがて政府は法律も変え、政府へ反対意見を言う者は逮捕される。


 国のような大きな組織から地元の小さな組織まで、自我の強い人物がリーダーになると、組織の状況が悪化してメンバーに非難されても、簡単に権力の座を渡そうとはしない。その後批判が高まりデモが起こり始めると、身の危険を感じて逃亡する。それは国外かもしれないし、身近な隠れ場所かもしれない。それでも権力の座は保持したまま逃亡する。


 我欲の強いリーダーが不正を行い、それで組織の状況が悪化したとする。すると組織の中からそれを正そうとする者が現れる。しかしこのリーダーはその現れた人物を自分を失脚させる脅威と見なし、解雇しようとする。


 自我の強いリーダーは平気で嘘をつく。周囲の者に将来への期待をもたせるような発言をして、結局それを行わない。例えば自分は権力には興味がないと言いつつ、立場を変えてでも影響力を保持しようとしたり、あれこれの改革するなどと約束するが、見せかけだけの改革に終わるなど。つまりその場しのぎの嘘を言う。


 自我の強いリーダーの中には話術に優れた者がいる。そして自我が強いということは恐れも強く、周囲の反対意見を敏感に察知する。そのため抵抗が起こりそうになると、すぐさまその場しのぎの嘘で巧みにその場を収めようとする。もし周囲の者が自分で考える能力や分析力が低かった場合、その嘘によって言いくるめられる。


 自我が強い者がリーダーになると、その家族や息子に権力を譲ったり、特別な役職においたりする。そうして同じ家系による支配が代々続いていき、国民が苦しむ。


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