○発電と蓄電 [2]

 


 このマグネシウムを作り出す淡水化装置には電力が必要となる。そのため世界中にある河川や小川などで小水力発電を行い、電力を生み出す。落差と水量が生み出せる電力量に影響するが、日本の例では、岐阜県の石徹白番場(いとしろばんば)清流発電所の水車1つで、約150世帯分の125kWの電力が、落差111mという条件で生み出されている。

 この小水力発電に加えて海や川などでの潮流(ちょうりゅう)発電も使用する。海の波は常に動いているため、潮流発電は昼と夜に関係なく安定的に電気を供給でき、構造がシンプルなため大規模設備を必要としないことが大きな理由。

 そしてこれらに小中規模の風力発電を加えれば、風が吹いてる時は電力量が上乗せされる。風力発電もいくつかの種類が開発されており、垂直軸型の風力発電にすれば横に回るので全方向の風に対応できる。プラウトヴィレッジでは各自治体が製造と管理を行えるよう小中規模のエネルギー設備を各地に作り、分散してエネルギーを生み出すことを優先するため、大規模な風力発電は第一優先にならない。

 ここまで述べてきたマグネシウム電池、小水力発電、潮流発電、風力発電はすべて発電過程で二酸化炭素などを排出しないため温暖化問題への対策となり、安定的で持続可能な発電方法となる。またこれら以外の他のエネルギー源も同時に使用して、自然エネルギーの多様化を目指す。

 その一つに真空管の太陽熱温水器を使用して太陽熱からお湯を作り、風呂やキッチンで利用する。これは太陽の熱を集める集熱部とお湯を貯める貯湯部が一体となったもの。日本であれば夏は60〜90℃、冬は40℃前後の温度になる。
 同時に太陽熱集熱パネルの使用も検討する。これは太陽熱で熱せられたパネル内の空気50℃前後が空気を運ぶ管を通り、家全体を温める暖房になる。
 これらは太陽熱を利用するため、温水器と集熱パネルの設置時の方角と角度が重要になる。日本の場合、真南が最も効果的でそれを100%とした場合、真東と真西でも80%ほど確保できる。また屋根の角度は20〜30度が理想的。これを屋根や地面に置く。屋根に置く場合は、屋根の形もそれに合わせることになり、集熱面を大きくする。
 この太陽熱温水機と太陽熱集熱パネルは、熱を熱として利用するので構造がシンプルになる。


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