このように全体的なコンクリートの使用量を減らし、加えて貨幣社会でなくなれば、放出される二酸化炭素を大幅に削減できることになる。
コンクリート用の石灰石は世界中で採取でき、アスファルト用の石油は限定的。石油は枯渇が目前に迫っているので、道路の舗装はコンクリートが第一選択肢となる。
そしてすでに作られたコンクリートを再利用する技術も開発されているので、それが使えるのであればそれが第一優先になる。
また日本には、大型建設機がない明治時代に生み出された人造石(長七たたき)も存在する。これは湾港建築や用水路などの大規模工事にも用いられた。人造石は花崗岩が風化してできた真砂土(まさつち)10と石灰1の割合で混ぜた物。真砂土が得られない場所では、適した粘土や火山灰土などを使う場合もあった。
人造石は水の中で固まる性質があり、練り土と自然石とを組合せ、堤防や水門などの骨組みの外側に厚い保護層を形成して使用された。この場合、自然石同士の間に練り土を10cmほど入れ、石と石は互いに接触させない。そして突き棒などで上から叩き締めて圧縮する。このため多くの人手が必要となる。
そしてこの人造石は自然に戻せるものとして評価されていることもある。そのため強度の面などで自治体の道路などに使用できるなら、これも選択肢となる。
さらにこれが発展して、土100、砂40、消石灰30、にがり水を配合して固める方法もあり、これを壁にして作った家も存在する。
この場合、土の種類によってそれを固める硬化剤も変える。砂を多く含む土の場合、硬化剤にはセメントを使い、粘り気のある土には消石灰(しょうせっかい)を使う。消石灰は生石灰に水を加えて作られる。土の特性によって混ぜる素材と割合が変わり、土の固まり方が変わる。
今後、石灰石を使わずコンクリートのように土を固める方法が出てくれば、それが選択肢になる可能性もある。しかし現時点ではコンクリートの使用を限定的にして、脱貨幣社会もすることで、二酸化炭素の排出を限りなく抑える。
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