○第一に誠実、その次に実力のある人物を推薦する [1]

  推薦選挙で選出する必要があるのは人格者。そのため「誠実な人物」を基準に選ぶ。誠実な人は次のような特徴がある。

 自分を管理する能力が高く、自制心があり、真面目、ユーモアもわかる、自分で立てた目標に地道に取り組める、仕事を最後までやり遂げる、発言と行動が一致している、よって周囲の人に信頼されている、劣等感が少ない、感情の浮き沈みが少ない、いつでも機嫌よく振る舞う、落ち着いている、感じの良い印象、爽やか、あか抜けている印象、周囲に流されない、男女や身体的特徴で差別せず目上にも目下にも同じ態度で接する、媚びた感じがない、誰とでも会話に慣れた印象、明るい印象、チームプレーもできる、周囲に気を配れる、周囲の失敗も手助けする、自分優先の我欲ではなく全体の善を考えて行動できる、礼節を重んじる、賄賂(わいろ)などを受け取らず、配ることもない、など。



 プラウトヴィレッジでは、礼儀や節度を重んじた人々を増やしていかなければならない。それによって自治体の良い人間関係が維持される。礼節の重要性はわかっていても、人間はなかなか行動にまで結びつかない。誠実な人物を選ぶということは、各町会の長と副長に礼節を重んじたリーダーを選ぶということでもある。組織の長の影響力は大きく、誠実な長がお手本となると、長に接する人々にも良い行動の連鎖が生まれ、自然と住民への人間性のお手本になっている。反対に人を見下す言動などの人物を長に選ぶと、その態度に接した住民も他者に同じような態度をとる傾向にあり、雰囲気の悪い組織ができる。この傾向は貨幣社会の会社でも見られる。誠実なリーダーの周りには誠実な人たちが集まり、不誠実なリーダーの周りには不誠実な人たちが集まる。


 職場でも家庭でも同じ人と長く接していると、あの人はこんな性格という評価はみんな大体似てくる。世間体の姿ではなく裏の言動を見ても、あの人は誠実だと言える人物を推薦する。

 もし自分に対して感じの良い接し方をしてくれる人がいたとしても、その人が周囲の目下や立場的に弱い人などにどのように接しているかを注意深く観察する必要がある。なぜなら何かの利益があるからあなたに対しては丁寧に接し、笑顔を見せ、お世辞を言っているだけかもしれない。不誠実な人は傾向として、例えばタクシーの運転手やレストランのウェイターなど、お客に逆らえない立場の人に横柄な態度をとることが見られる。


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