○先読み、推進力、礼節 [1]

  組織のリーダー、経営者、スポーツ選手など、競争の世界で結果を出す人には、共通している要素がある。それは「先読み」と「推進」の能力が高いということ。例えば「これからの時代はこの製品が時代の主流になる」と先読みする経営者がいる。あとはその製品を作って形にしたり、それに必要な人材を集めてきたりする行動力、推進力が必要になる。スポーツ選手も例えば、ボクシングで試合をしている2人は、常に上体を揺らしたりジャブを出したり駆け引きをしている。つまり次の動きを先読みをしている。そして圧力(推進力)をかけ、腹や顎(あご)に重い一発を狙う。サッカー選手もドリブルで抜く選手はドリブルが上手いと表現されるが、抜く前にボクシングと同じで上体を揺らしたりフェイントをかけたりして駆け引きをし、抜く隙(すき)を探している。つまり先読みしてから推進する。守備の選手も同じで、相手がドリブルで来たら先読みをして取りに行く。足は早いが先読みで負ける守備は抜かれる。足が遅くても読み勝つ守備はボールを奪う。この原理は他のスポーツでも同じ。スポーツの監督も、自分が参加しているリーグの対戦相手の情報や、練習内容とその効果などを予測し、練習に落とし込んで選手に実行させる。つまり先読みし、推進(実行)する。



 結果を出すあらゆる個人、組織は、ほとんどがまずこの先読みで勝ち、同時に推進力(実行力)もある。先読みは頭の回転の速い人の方が有利で、よって余裕があり、直感に恵まれ、アイデアが閃き、勝負事では勝ちにつながり、ゲームも支配する。反対に余裕がない方は迷いと不安が生じ、直感的になれず、突破する方法が見えない。先読みの能力を上げるには、一つは成功体験や知識を得ること。もう一つはトレーニングで頭に通常以上の負荷をかけることがあげられる。頭に負荷をかける例は次のようなものがある。


・短期間でものすごい量の本を読む。すると脳の処理能力が高まって、思考が早くなる。

・ひたすら考え続けること。ただ好きなことに取り組んでいることが、長期継続の鍵。

・球技ではボールを持つ攻撃選手に対し、守備2人以上で取りにいく。通常の試合では攻撃選手に対しマークは1人なので、2人以上分の頭の回転の速さと決断速度が必要となり、その分先読みが速くなる。

・2つの以上の動作を同時に行い、脳の処理能力を高める。例えばお手玉やジャグリングをしながら走ったり、クイズを出したり、足で別の作業をする。

・サッカーでは例えば紅白戦でワンタッチルールにすると、次の展開を先読みしていなければパスできないので、先読みが習慣化される。他にも4色以上のビブスを着た選手を2チームに分けて紅白戦をし、同色にパス禁止やリターンパスの禁止、さらには試合中に監督の一言で青赤チームだったのが、青緑チームに急に変わるなどがある。全て次の状況の把握と判断のスピードに負荷がかかっている。


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