1章 序文 [1]

  プラウトヴィレッジは資本主義、社会主義に代わる社会制度で、お金が存在しない仕組み。持続可能な社会でもある。 


 戦争、貧困問題、自然破壊、気候変動、感染症と世界中でたくさんの社会問題が発生し続けている。一つずつの解決策を考えていると、平和な社会の実現ははるか遠くに思える。しかし、それらの問題の根本原因となっているある一点に気づけば、実は解決策はシンプルであることが見えてくる。その根本原因とは「お金の仕組み」のことで、あらゆる社会問題は、直接的、間接的にお金と関係している。





 例えば国と国が争うのも国益を優先してのことで、資源を奪い、それをお金に変える。政治が腐敗する時も権力と高給、賄賂(わいろ)など何かしらお金が関係している。企業は商品を作って利益を得続けなければ存続できないので、原料となる資源の枯渇はやまない。自然破壊の問題も、破壊を行う企業の社員は一般市民で、お金を得て生活する必要があるので、自然破壊とわかっていても働くことはやめられない。気候変動と温暖化の原因は様々考えられているが、二酸化炭素の世界的な排出量増加は人間の経済活動つまりお金を稼ぐ活動が活発化したため。森林伐採の問題も、個人や企業が自由に土地を購入できてしまい、場合によってはそこの樹木や土地でお金儲けをするため木は切られ続ける。海の魚などの乱獲と生態系の変化についても、合法、非合法にかかわらず漁師も魚を取ってお金を稼がなければ生活できないので漁を続けるしかない。ゴミ問題も、例えばスーパーマーケットで売られる食品を作る企業は、消費者に気に入ってもらってお金を稼ぎ続けなければ経営が続かないので、過剰なビニール包装などで商品の見栄えと安全を強調する。その分、家庭からのゴミの量は増え、焼却しきれないゴミも増え、川や海に捨てられるゴミも増える。電化製品なども、商品を多めに作っておいて消費者がすぐ購入できる状態にする。客を待たせて利益を逃すよりは良いからだが、それによって捨てられる在庫が増える。企業の長時間労働の問題も、社員は給料を得て生活を維持しなければならないので、会社から残業を命じられれば従わざるをえなくなる。所得格差の問題も、そもそもお金を稼ぐことに長けた人とそうでない人がいるので、これを防ぐ手立てはない。それは運動が得意な人と苦手な人がいることと同じ。また窃盗や麻薬販売者がなくならないのも、それで利益を得て生活費を稼ぐことができるから。路上生活者が世界中に存在するのもお金がないため。日本の人口減少と少子化の問題も、将来的に労働力が減り、国としての競争力が落ちることで国益・利益が減ることが問題となっている。年金の受給額の減少や年金制度の崩壊も、お金にまつわる問題。自然災害によって街が破壊された時も復興にはお金が必要となる。感染症の問題も、人々は仕事をして給料を稼がなければならず、そのため人と接触するので感染が広がる。


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