エジプトのシンボルと神

2匹の蛇は、エジプトの有翼円盤(ゆうよくえんばん)にも見られた。例えばコム・オンボ神殿の有翼円盤の中央の2匹の蛇。

メディネット・ハブの有翼円盤と2匹の蛇。

エジプト出土の蛇1匹のウラエウスと有翼の組み合わせ。

蛇と有翼

エジプトのデンデラ神殿には有翼円盤が2つ並んでおり、上側は2匹の蛇、下側はスカラベという昆虫が中央にいる。

古代エジプトではスカラベを太陽神ケプリと同一視した。ケプリはエジプト神話における太陽神ラーの形態の一つ。つまり有翼円盤、スカラベ、太陽神ケプリ、太陽神ラーも無を表す。

古代エジプトでは太陽と月はハヤブサの姿、あるいは天空神ホルスの両目(ホルスの目)と考えられてきた。やがて二つの目は区別され、左目は神ウアジェトの目で月の象徴、右目はラーの目で太陽の象徴とされた。ウアジェトはコブラの姿、あるいは頭上にコブラをつけたライオン女性の姿で描かれる。

ウアジェトの頭頂の蛇の記章(きしょう)はウラエウスという。ウラエウスの背後の丸い太陽も有翼円盤に見られる。ウラエウスはツタンカーメンの額にも装飾されている。

ウラエウスの頭部を持つ女性としてや、女性の頭部を持つコブラとして描かれる女神メルセゲルは2匹の蛇で描かれていることもあり、これも無を表したものという結論。

ここまで登場したアヌビス、ホルス、ケプリ、ウアジェト、メルセゲルは共通して、アンクという十字を手に持っている。つまりアンク、これら神々、エジプト神話も全てが無を表した物語という結論。



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