■紀元前5万年頃 オーストラリアのアボリジニ

この頃、アボリジニの祖先が東南アジアを通ってオーストラリアにやってくる。

アボリジニのヨルング族には神話を踊りで表現する儀式があり、男性のダンサーが虹蛇を象徴する2本の特別な棒を持っていることから、2匹の蛇=無を神として崇めているという結論。
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オーストラリアで有名なエアーズロック近辺に、アナング族と呼ばれる先住民がいる。彼らはエアーズロックをウルルと呼んでいる。

このエアーズロックには虹色の蛇の物語がある。

「エアーズロック(ウルル)にはクニヤと呼ばれるメスのニシキヘビがいた。クニヤは自分の卵が孵化(ふか)しそうになると、エアーズロック(ウルル)の西側にある洞窟(クニヤ・ビティ)に戻り、新しい子供の誕生を待っていた。ある日、クニヤの甥(おい)であるクカクカが、毒ヘビの祖先でオスのリルの放った槍(やり)によって命を落としてしまった。実際にはクカクカが掟を破ったことへの戒めだったが、それを知らないクニヤは激怒し、リルとの激しい戦いが始まった。激闘の末、クニヤが棒を使って岩の上にいたリルの頭を叩き割って殺したが、リルに戦いで放たれた毒に侵され、クカクカをムティジュルの泉へ運ぶと自分も息絶え、ワナンビと呼ばれる虹色のヘビに姿を変えた。そしてワナンビがムティジュルの泉に住み、水を枯らさずにいると信じられている。」

ここでも虹蛇が出てくるので、無を崇めた場所ということ。エアーズロック(ウルル)近隣のカタ・ジュタにも巨石があり、この山の頂上にもワナンビが住んでいて、乾期にのみ下山するという神話がある。

 

またデビルズ・マーブルズの周辺一帯は、アボリジニの土地の中に位置する。

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その地域のアボリジニは、ここを聖地カール・カール(Karlu Karlu)と呼ぶ。アボリジニの部族の1つカイテチェは、デビルズ・マーブルズにある奇石を虹色の大蛇の卵と信じている。つまり無の卵であり、宇宙卵である。創成神話の中で、原初の「無」を日本書紀では鶏の卵のような混沌という表現があった。またフィンランド神話カレワラには続きがあり、卵から天空と大地ができたとある。つまり丸い巨石や絶妙なバランスの巨石は、原初の無を卵として表したもの。デビルズ・マーブルズには他にも絶妙なバランスで立つ石球も存在する。
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