③ 女神像 2/2

こういった女神のシンボルは「サバジオスの手」で見られる。その手の下側には、女性が子供と寝そべり、授乳している女性が見られる。

寝そべる女性で知られているものに、地中海のマルタ島の女神像がある。体型、手の位置、へその彫刻など、各国の女神像と共通している。また立像の下腹部には三角形の下着のような彫刻も薄っすら見える。

また、子供に授乳している女神像も各国から数多く出土している。左から順に、地中海のキプロス(紀元前1300年頃)、メソポタミアの蛇顔の女神(紀元前5500年頃)、スペインのマラガの女神像、シリア(紀元前4500年頃)。

左から、インダス文明のメヘンガル(紀元前2700年頃)、エジプトのイシス(女性)とホルス(子供)、ヴィンチャ文明(紀元前5700年頃から)、インドのクリシュナとヤショーダ(1100年代)。

左から、東京の縄文時代の子抱き土偶(紀元前3000年頃)、茨城県黄金塚(こがねづか)古墳の乳飲み児を抱く女性埴輪(600年頃)。

次の左側の縄文土器には2つの顔が彫刻されていて、下側の顔の一段上に三日月も描かれ、その中には薄く渦模様も見られる。この土器にある2つの顔と同じ顔が右側の長野県の縄文のヴィーナスに見られ、耳の上には渦模様も彫刻されている。この像も下半身が太く、胸が出て、へその彫刻がある。

紀元前3400年頃のシリアから出土している目の女性像も、胸が出ていること、三角形の下着、体にジグザグ模様も見られる。ジグザグはトルコのギョベクリ・テペの石柱でも見られた。

同じくシリアからは目の女性像が多数出土しており、体にジグザグ模様がある。

また、石のハンドバックが出土した紀元前3000年頃のイランのジーロフト文化では、下の左の画像のように両手で2匹の蛇をつかむ角のある人物が描かれている。同じポーズの像は紀元前2000年頃のギリシャのクレタ島からも見つかっていて、右の画像の2匹の蛇を両手でつかむ胸の出た女神像。

この同じポーズはエジプト、ヨーロッパ、中東、インド、南北アメリカでも見られ、共通のシンボルとなっている。左側の画像ではエジプトのホルスが両手に2匹の蛇とサソリを持っていたり、右側は同じくエジプトで、アンクという十字から生えた手がウアス杖を持っている。ホルスは男根があるので男。

左からアフガニスタン、イラン、スコットランド。

次の左の画像は、南米のインカ帝国で長いものを両手に持った神ビラコチャ。右側の北アメリカの先住民ナバホ族の神エイ(Yei)は、トウモロコシとともに描かれる。

インドのインダス文明の印章では両手にライオンをつかんでいる。

インドのインダス文明の別の出土品にも同じポーズの女神が見られるが、その上下に六芒星とゾウが彫刻されている。

 



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