メソポタミアによく見られる松ぼっくりのシンボルは、古代ギリシャ・ローマ時代の「サバジオスの手」の親指にも見られる。この手も数種類あるが、それぞれにシンボルがいくつかまとまっている。
サバジオスの手にも2匹の蛇の杖カドゥケウスが見られ、これも共通のシンボルがまとめられたものということが見えてくる。
また手の上に乗るサバジオスの頭には、三日月も見られる。
サバジオスの手で見られるトカゲは、ギョベクリ・テペの石柱でも見られる。
この他にも1匹の蛇、鷲(わし)の足、カエル、亀、山羊、天秤、授乳しながら寝そべる女性など無数にあり、それぞれのシンボルが各国の出土品で見られる。
サバジオスは人物像としても見つかっていて、ここにも松ぼっくりと鷲(わし)が見られる。このサバジオス自身もシンボル。
さらにこのサバジオスの像の左手には、木の棒に巻きついた1匹の蛇が見られる。つまり杖に1匹の蛇はアスクレピオスの杖、杖に2匹の蛇はカドゥケウスで、2種類とも共通のシンボル。
1匹の蛇と2匹の蛇を同時に見れるのがアイオーン。足元に2匹の蛇の彫刻、下半身から頭頂にかけて1匹の蛇が巻きついている。
紀元前1120年頃のメソポタミアのネブカドネツァル1世のクドゥル(大英博物館)にも、共通のシンボルがまとまっている。ここでは1匹の蛇、三日月、2頭のライオンの顔、鳥、亀、サソリがこれまで見てきたシンボルと重なっている。
上の画像の下から2段目の弓矢を持つ人物は、別の場所で有翼円盤に乗った人物としても見られる。次の左の画像の弓を持った人物は、メソポタミアの都市アッシュールを守護するアッシュール神。右の画像の有翼円盤はアケメネス朝ペルシャの都市ペルセポリスのもので、ゾロアスター教の守護霊フラワシ。これはこの世の森羅万象に宿り、あらゆる自然現象を起こす霊的存在とされている。森羅万象に宿るとは日本の神道の八百万の神とも共通する。
次のペルセポリスの有翼円盤の下部に見える菱形(ひしがた)の装飾は、トルコのギョベクリ・テペの石柱にも見られる。つまり菱形の装飾とその下のウエイト(重し)も共通のシンボル。
また雨を表す日本のしめ縄から垂れ下がるワラもこのウエイトと同じデザインで、共通のシンボルということ。
次のメソポタミアの円筒印章(えんとういんしょう)には、有翼円盤、三日月が見られ、これが共通のシンボルで描かれていることがわかる。
この上の円筒印章の有翼円盤の左に7つの星があり、右端に八芒星(はちぼうせい)が見られる。これも次のメソポタミアの青銅製魔除け板(イラク、紀元前800年頃、ルーブル美術館蔵)にシンボル図としてまとまっている。この図を持っている魔神パズズはライオン顔で、アイオーンがライオン顔だったり、ジーロフト文化のハンドバックにも2頭のライオンが描かれていた。このパズズの顔の下に八芒星が、同じ段の右端に7つの星が見られる。この最上段には神のシンボルが並んでいる。この図にはこれまで見てきた有翼円盤、三日月、魚の格好をしたアプカルル、弓矢なども見られる。
次のメソポタミアの浮き彫りでは、三日月の中に12芒星が見られ、下の方には梯子(はしご)のシンボルも見られる。
別のメソポタミアの浮き彫りでは、左上に三重冠、有翼円盤、三日月、2本の角、八芒星の5つのシンボルが見られる。さらに胸のところに十字があり、左手には丸い玉がついた杖を持っている。
この丸い玉の杖とザクロを持つ人物の浮き彫りや、有翼円盤に入った人物がザクロを持つ浮き彫りもある。
このザクロもエルサレムにあったとされるソロモン神殿の入り口で見られ、ボアズ(BOAZ)とヤキン(JACHIN)という名で呼ばれている。
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