旧約聖書のアダムとイブに類似の神話

旧約聖書にはアダムとイブの物語があるが、これもアフリカなどで類似した話が見られる。次は旧約聖書の創世記より。



一つの川がエデンの園から流れ出て、園を潤していた。神はエデンの園に男性(アダム)を置いて言った。「園のどの木からでも実を取って食べてよい。しかし善悪を知る木からは取って食べてはならない。その実を取って食べると、きっと死ぬだろう。」

その後、神は女性(イブ)も造って置いた。その女性は蛇から「禁じられた木の実を食べても死ぬことはないでしょう」と言われる。それを信じた女性は夫(アダム)とともに木の実を食べる。すると、2人は自分たちが裸であることを知り、いちじくの葉を腰に巻いて隠した。約束を破った2人を、神はエデンの園から追放した。その後、2人はカインとアベルを産み、そうして子孫が増えていった。


ポリネシアのハワイ神話では、このアダムとイブの物語に類似した神話が見られる。


カネ神によってつくられた最初の庭には、果物があり動物がいた。神聖な木を除いた果物と動物はすべて、クム・ホアム(始まりの大地)と妻が利用できるものだった。この神聖な木の果実と樹皮だけは禁じられていたのだが、彼らは法を破り、そして追放された。大きな白いアホウドリが2人を追い払った。


ハワイでは1700年代後半から、アメリカやイギリスの宣教師がキリスト教を広め始めた。ハワイ独自の宗教は1800年代に禁止される。それまでの創世神話には、各地と同様の共通パターンが見られた。さらに西アフリカのアシャンティ人にも、類似の物語が見られる。


昔、ボソンムル川にその居住地をこしらえたニシキヘビがやったように、男と女が天空から舞い降りて来た。この夫婦には子供がいなかった。ある時、ニシキヘビが彼らに子供を持っているかどうかをたずねた。そして彼らが持っていないと答えると、蛇が彼女が妊娠するようにしてあげよう、と言った。そのニシキヘビは彼らの腹に水を吹きかけ、何かの言葉を呟(つぶや)き、それから家に帰って一緒に横たわるように彼らに言った。このようにして最初の子供が生まれ、彼らはボソンムルを彼らのントロ()とした。そしてすべての男はこのントロを自分の子供に渡していった。

コメントを投稿

0 コメント