アイヌ民族のカムイノミとは、神に祈るという意味で、神カムイ(無)を天界に帰す儀式。例えば、狩りの獲物に対して、肉と毛皮を土産に持って人間界へ来てくれたカムイに感謝し、神の国へ送り帰す。
カムイは高位の霊的存在のこと。カムイは動植物、自然現象、人工物などあらゆるものに宿るとされる。例えば、火に宿るアペ・フチ・カムイ。ヒグマの衣服で人間世界に来るキムン・カムイ。熱病をもたらす疫病神パヨカ・カムイ。人間に災厄をもたらすウェン・カムイ。人間に恩恵をもたらすピリカ・カムイ。地形上の難所を表すカムイコタン。住居や丸太舟を作るための樹木はシランパカムイ(樹木のカムイ)と呼んでいた。
このカムイが万物に宿る考え方は、神道では八百万(やおよろず)の神という。
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