「①眉間に意識を向ける」
立ってでも座ってでも良いので、20秒間目を閉じる。その中でもし頭に何か考えや言葉が浮かんできたら、それが思考。そこから苦しみが生み出される。
次にもう一度20秒間目を閉じてみる。今回はゆっくりとできるだけ長く鼻から息を吸い、同様に鼻から吐き、眉間(みけん)に意識を向ける。すると意識が一点に集中しているので思考が止み、無心になる。つまり意識的に思考を止めた。眉間から眼球裏の松果体(しょうかたい)までの間は思考が浮かんでくる場所で、ここに過去の出来事や未来の予測や不安が不意に浮かんでくる。無思考になると静寂が訪れる。つまり思考の勝手なお喋りがなくなり、その瞬間は苦しむことがない。あとは常に、この意識的な注意を続ける。継続していけば脳内が常時静かになり、思考が起こってもすぐに気づき、沈めることができるように習慣化される。そしてより深い集中状態となり、穏やかな心が続く。一日の中でどれだけ意識的な注意を維持できたかが、精神的な進化の度合いを示す。これは目を開けて行うこともできる。
これらは意識的に注意深い状態にあるということ。これと反対が無意識の状態。誰でも怒ったり興奮した時、感情のまま誰かに失礼なことを言ったりする経験があるが、それは無意識の状態で注意深くないから起こる。今行ったように意識的に内面を観ている時は、注意深い状態なので感情に流されることがなくなる。思考を意識していない人は思考に振り回されるので、不意にわき起こる劣等感、過去の怒り、固定観念を通して世の中を見ることになる。こういった思考の性質と知ることが重要で、突然起こる思考は本当の自分ではない。
眉間に意識を向けるのは一つの方法で、対象はなんでも良い。例えば流れる雲を見つめる、呼吸に意識を向ける、何かに一点集中するなど。ただテレビや動画のように、情報がすり込まれるような物は避けたほうが良い。
「②意識に意識を向ける」
そして何か対象物に集中することに慣れてくれば、意識そのものを意識する。意識は形も香りも音もない。無心の時、思考がなければ意識のみが残る。この意識として在る状態が本当の姿。その意識が古代より神として呼ばれてきたもので無のこと。
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