綱引き

日本の一般的な綱引きとは、2つのチームが1本の綱を引きあって勝敗を決めるもの。その歴史は日本では1500年頃より見られ、神事や占いとして正月などに行われてきた。この場合、藁(わら)やカヤを使った縄を使用した。

つまり綱引きとは無を表す蛇を引きあっている構図ということ。この神事の意味はヒンドゥー教に見出せる。ヒンドゥー教のマハーバーラタの天地創造神話に、乳海攪拌(にゅうかいかくはん)という話がある。「ヴィシュヌは多種多様の植物や種を乳海に入れ、次に化身の巨大亀クールマとなって海に入り、その背に大マンダラ山を乗せた。この山に竜王ヴァースキを絡ませて、神々はヴァースキの尾を、アスラはヴァースキの頭を持ち、互いに引っ張りあうことで山を回転させると、海がかき混ぜられた。攪拌(かくはん)は1000年間続き、乳海からは太陽、月、象、馬、女神など様々なものが生まれた。」

神々が引っ張り合ったのは蛇の姿のヴァースキ。ヴァースキは、インド神話に登場する蛇神の諸王ナーガラージャでもあり、ナーガラージャは2匹の蛇が絡み合った姿。つまり綱引きが表しているのは天地創造(ビッグバン)。


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