虹蛇、2匹の蛇、洪水、雨、雷雲

アフリカ、アジア、オセアニア、北中米、南米では、虹蛇、2匹の蛇、洪水、雨、雷雲という線でシンボルがつながる。

「フィジー伝承のデンゲイ」
オセアニアのフィジー諸島の虹蛇は創造神デンゲイと言い、怒って洪水を起こした神で、洪水を生き残った8人をボンタンの実に乗せて助けた神でもある。

またデンゲイを最高神とする神々をカロウ・ヴと呼ぶ。フィジーにはブレ・カロウという高い屋根を持つ建築物がある。ブレは家、カロウは神の意で神社を意味する。ここで神は天から降りてきて願いをきいてくれる。

「西アフリカ伝承のマウ」
西アフリカでは創造神である女神マウ(マウウ)が最初に創造した存在は蛇で、世界創造を手伝った後に海底でとぐろを巻いている。虹(にじ)はこの蛇が天にアーチをかけたものであり、雨を降らせる役割も持つ。

「ハイチ伝承」
カリブ海に浮かぶハイチの伝承の虹蛇は、アフリカ系住民によって伝わり変化したものだといわれる。

「マヤ文明のイシュ・チェル」
メキシコのマヤ文明の虹の婦人と呼ばれる女神イシュ・チェルは、マヤ神話において洪水・虹・出産等を司る女神。頭に蛇を置き交差した骨が刺繍(ししゅう)されたスカートをはいた姿で描かれている。怒らせると大雨を降らせ洪水を起こす。頭に蛇はアイオーンでも見られた。

「ネイティブアメリカンの伝承」
北アメリカのネイティブ・アメリカン(インディアン)のショショーニ族の伝承では、虹は大きな蛇が天空に背をこすり付けて生じさせ、雨や雪を降らせるという。

「ブラジルのマト・グロッソ地方のトゥパリ族」
トゥパリ族の間では、人間が死ぬと、瞳孔(どうこう)はその人間から離れ、パビッドになると信じられている。パビッドは生身の人間のように地面を歩くことはしない。死者の王国に通ずる彼の道は、 まず、二匹の大きなワニの背を乗り越え、つがいの大蛇のところまで達する。つがいの二匹の大蛇は、しばしば、天空に向かって高々と背を伸ばす。雨降りのとき、その姿は誰の目にも見える。なぜなら、それが虹だからである。(
1948年までトゥパリ族は白人との接触がほとんどなかった未開の部族)


「中国伝承の虹霓(こうげい)、虹蜺(こうげい)」
中国の蛇神伝承の虹霓(こうげい)、虹蜺(こうげい)。漢字で「虹」が虫偏(むしへん)なのは、古く虹を竜の一種と考え、雄を虹、雌を蜺としたことから。虹はこの竜の体であるといわれ、雄雌(おすめす)を表す漢字で虹霓/虹蜺(どちらもコウゲイ)と表記する。つまり虹は2匹の蛇。

「日本の神社の注連縄(しめなわ)」
神社の注連縄(しめなわ)は、神聖な場所を区切るために張られる結界の事で、2匹の蛇が絡まった交尾の姿になっている。注連縄(しめなわ)は、雷雲も表している。ジグザグの白い紙の紙垂(しで)は雷雲から起こる稲妻、紙垂(しで)の間のワラは雷雲からの雨を表す。

shime




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