出アフリカ

肌の色の変化は、突然変異や住んでいる地域の紫外線の量などの影響を受ける。アフリカにいた人間は紀元前12万年頃より移動し始め、紀元前10万年頃には中国に到達していた。本格的な移動は紀元前7万年頃の出アフリカから始まり、イラン付近を経て3つの方向に分かれ、黄色人種、白人、オーストラリア系などが生まれ、出アフリカしなかった人間は黒人となる。

こういったことはY染色体ハプログループの研究で明らかになっている。Y染色体は父から息子へと受け継がれるので、Y染色体を解析すると父方の祖先を遡ることができる。それをグループに分けたものをハプログループという。アルファベットのAから始まり、Y染色体ハプログループAは紀元前27万年頃にアフリカで誕生し、マサイ族などに多い。アルファベットが進むにつれ現代に近づき、Qは紀元前17000〜前22000年頃にイラン付近で発生したとされる。

下の図のアフリカからイランへ渡り、そこから各地へ広がる。
・アジア、南北アメリカルート、黄色人種(黄色の線)
・中東、ヨーロッパルート、白人種(ピンク色の線)
・オーストラリアルート、オーストラロイド(青色の線)
・移動なし、黒人種(アフリカにとどまった茶色の線)


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ホモ・エレクトスから進化した現在のホモ・サピエンス(現代人)は、全て紀元前20万~前10万年頃にアフリカで生まれ、紀元前7万年頃にアフリカを出て全世界に広がった。同じくホモ・エレクトスから進化したデニソワ人とネアンデルタール人は紀元前2万年前後には絶滅していた。その時期までネアンデルタール人とデニソワ人とホモ・サピエンス(人類)は交雑(こうざつ)しており、その遺伝子は現代人に混入している。

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